アーユルヴェーダとは


アーユルヴェーダは5000年以上前に発祥したと言われ、現代にも伝わっているインド発祥の伝統医学です。インドのお隣のスリランカにもアーユルヴェーダは伝えられました。

インドがユナニ医学(アラビア医学)が入ってきたときに、アーユルヴェーダが一時衰退した一方、スリランカでは、スリランカの伝統医学とアーユルヴェーダが結び付き、広く国民に実践される医学へと発展しました。

インドやスリランカにおいては、政府がアーユルヴェーダ医師免許制度を定めているので、西洋医学を学ぶのと同様に、アーユルヴェーダも大学の医学部で学ばれます。

また、インド・スリランカでは、アーユルヴェーダは病気を治療する医学としてだけはなく、健康な人の健康増進法として、あるいは、身体や精神を整えていかに健康に人生を楽しむかといったことも教えてくれる、統合的な医学(ホリスティック医学)として、扱われています。

日本においても十数年前からアーユルヴェーダが注目されるようになり、現在ではアーユルヴェーダを取り入れた医院や、アビヤンガ(オイルトリートメント)を実施するサロンも増えてきました。












アーユルヴェーダには8つの領域があります。
  • Kaaya Chikitsa Tantra カアヤ・チキツァ・タントラ ― 内科学
  • Shalya Chikitsa シャリヤ・チキツァ ― 外科学
  • Shalakya Tantra シャラキヤ・タントラ ― 耳鼻咽喉科・眼科
  • Kaumaarbhritya Tantra カウマールブリティヤ・タントラ ― 小児科学
  • Agada Tantra アーガダ・タントラ ― 毒物科学
  • Vajikarana Tantra ヴァジカラナ・タントラ ― 強壮学
  • Rasaayana Tantra ラサーヤナ・タントラ ― 若返り
  • Bhuta Vidya ブータ・ヴィディヤ ― 霊的な治療

アーユルヴェーダでは人間の体は自然界(マイクロコスモス)の中の一つの小宇宙(マイクロコスモス)として扱われます。

そのため、環境や自然とハーモニーを持ちながら生きることが必須のこととして考えられています。


私たちの身体組織は7つのグループに分けられます。
  • Rasa Dhatu ラサ・ダートゥ ― 血漿組織要素
  • Rakta Dhatu ラクタ・ダートゥ ― 赤血球組織要素
  • Mamsa Dhatu マンサ・ダートゥ ― 筋肉組織要素
  • Medas Dhatu メ―ダス・ダートゥ ― 脂肪組織要素
  • Majja Dhatu マッジャ・ダートゥ ― 骨髄組織要素
  • Asthi Dhatu アスティ・ダートゥ ― 骨組織要素
  • Shukra Dhatu シュクラ・ダートゥ ― 精液組織要素

小宇宙(マイクロコスモス)と大宇宙(マクロコスモス)は
5つの要素でできています。
  • Prthvi プルットゥヴィ ― 地
  • Ap アップ ― 水
  • Tejas テージャス ― 火
  • Vayu ヴァーユ ― 風
  • Aakash アーカシュ ― 空

マイクロコスモスとマクロコスモスの間で起こる物質及びエネルギーの関係は、この5つの要素の関係性に影響を与えます。

5つの要素のバランスの崩れが、人間の生理学的あるいは精神的な傷害として現れてきます。

この5つの要素は、身体においては3つの基本的なエネルギー(ドーシャ)として表れています。そしてこの3つのエネルギーが身体の全ての生理学的作用を支配しています。

ヴァータ、ピッタ、カパというこの3つのエネルギーのバランスをとることは心身を健やかに保つために欠かせません。

消化と代謝を促すエネルギーはアグニ(火)と呼ばれます。この消化の炎が正しく作用することも健康にとって重要です。

アグニが弱いと、栄養や細胞、組織の作用が損なわれ、正常に消化できなかった食物の分子がアーマ(毒素)となり、細胞と組織にダメージを与えます。

アグニが弱いと、代謝産物の質が低下し毒素として作用する他、消化と代謝による老廃物を除去するのも難しくなってきます。

食物の消化の後に吸収される栄養素は組織要素と同化し、ダートゥとして知られる組織要素に吸収されます。

アグニ(消化と代謝のエネルギー)とドーシャ(ヴァ―タ、ピッタ、カパの3つのエネルギー要素)が適切に働くと質の高い組織要素が作られます。

栄養素の生体内変化の最も良い形態は、生物学的な力強さと活力、免疫力をもたらすオージャスとして知られます。

これらすべての生理学的な要素は健康を維持するのに必要不可欠です。

これらの要素は、プラーナ(生命エネルギー)、サットヴァ(知性と浄化)、ラジャス(動力エネルギー)、そしてタマス(暗雲、無気力、無神経)の影響を受ける精神によっても左右されます。

健康の促進には、これら生理学的、精神的な要素すべてに注意を向けなければいけません。